2018.08.15
「あれ?これってもしかして風邪かも・・・。」と思ったことはありませんか?
体の倦怠感や熱、頭がボーッとしてしまうなど、人によって風邪の自覚症状はさまざまです。
けれど、違和感に気づいたあとに自分がどんな行動をとるかで、発症後の症状の改善は変わってきます。
特に今回は、風邪の前兆である発熱が出た場合の対策をお教えします。
■風邪の前兆とは?
風邪の前兆は色々と考えられますが、主に、
・喉の痛み
・寒気(体の震え)
・発熱(体温の上昇)
などです。
このうち体温の上昇に関して、汗をかかない、手足が冷えるといったケースがあります。これは本来熱を発散させるために発汗作用は起きますが、風邪の際は体温が上がっても汗をかきにくくする作用があるからです。
また、手足が冷える原因は、皮膚の血管が収縮し、体内の体温が低下することを防いでいるためです。
■熱はどうして出るのか?
そもそも風邪を引くと、どうして熱はでるのでしょう?
最も考えられる要因は、ウイルスが体内に侵入することによるものです。
ウイルスの侵入があると体内では、身体の免疫反応で「サイトカイン」と呼ばれるタンパク質が分泌されます。
サイトカインとは、感染が発生しましたよ、というサインを伝達する物質とされています。ウイルスは高温状態では増えることができません。
なので、脳は全身に発熱の命令を出して、ウイルスが増えないための対策をとります。これによって、発熱、悪寒や震えといった症状が現れるのです。
■風邪を引いたとき、絶対にしてはいけないこと
「風邪を引いてしまった。」
「早く治さなきゃ。」
風邪は症状が現れたあとが肝心です。
良かれと思ってしたことが、症状を悪化させてしまうこともしばしば。
ここでは、風邪の初期症状において、してはいけないことをご紹介します。
・体温を下げる(体を冷やす)
勘違いされがちなのですが、風邪の初期症状において、熱が出たから熱さまシートや冷たい飲み物を飲んで、むやみに体を冷やそうとしてはいけません。体温が上昇するのは、体内に侵入したウイルスを撃退するためです。つまり、体温を下げるということは、ウイルスが活発に活動できる環境を作り上げてしまうことになります。
・スマートフォンやテレビなどを使用しない
風邪で暇だからといって、スマートフォンやテレビを使用することは避けることをおすすめします。
画面から発せられるブルーライトが交感神経を刺激し、脳を含めた、体の活動が活発になってしまい、体を休息させることができないからです。
・解熱鎮痛剤・抗生物質を服用する
風邪はウイルスで感染によるものです。
ウイルスを撃退し風邪を治すためには、熱は必要です。
解熱鎮痛剤は使わないほうがいいでしょう。
また、ウイルスには、抗生物質は効きません。
抗生物質にも副作用がありますし、耐性菌が出現することがありますので、風邪の時には抗生物質の服用は必要ありません。
■自分でもできる。風邪を悪化させない方法
風邪を引いてしまったことを後悔しても仕方ありません。
これ以上、症状を悪化させないことや回復させることのほうが重要です。
ここでは、自分自身ですぐに実践可能な風邪の対処法をご紹介します。
・体の3つの首を冷やさない。
「3つの首」?と、疑問をもたれた方もいるかと思います。
体における3つの首とは、「首、手首、足首」のこと。
なぜ、この3つの部位を冷やしてはならないのでしょうか?
それは体の中でも特に太い動脈が通っており、皮膚が薄く、温度の影響を非常に受けやすいからです。
血行が悪くなると体温が下がりやすくなり、血行が良くなると体温が上がりやすくなります。
そのため、特に首、手首、足首は冷やさないことが肝心です。首なら、ネックウォーマー。手首なら、長袖のシャツの着用。足首なら、靴下を履くことや、「足湯」も効果的です。
ただし、暑いときには無理に布団をたくさん掛けたり、厚着をしたりすると熱がこもりやすく、さらに発熱のリスクがあります。
ただ体温を上げすぎても、体への負担は大きくなるため、温度に合わせ薄着にしたり、こまめに着替えたりすることが必要です。
・こまめな水分補給
水分補給は非常に大切です。
風邪を発症すると、嘔吐、下痢や発熱による発汗などで脱水症状に陥ることもあります。
脱水状態は体の免疫能力の低下を招き、結果として症状が悪化してしまう恐れがあります。
ポカリスエットや常温の水、ゆず茶もオススメです。
風邪の際は、内蔵を冷やさないよう、「常温や温かい状態で飲むこと」が効果的な水分補給に繋がります。
・十分な栄養の摂取
食欲がない場合を除いて、風邪の初期段階では、十分な栄養を摂取し、休養することが必要になります。
風邪に効果的な栄養素を含む食材、料理をご紹介します。
「豚肉」・・豚肉に含まれるタンパク質やアミノ酸が効果的です。
「果物」・・みかんやきんかんなど、ビタミンCを含むものを食べましょう。
「緑黄色野菜」・・ビタミンAが、鼻や喉の粘膜を保護し、鼻をスッキリさせてくれます。
「カレーライス」・・意外かもしれませんが、野菜や肉を効率よく食べられるカレーは風邪のときに効果的です。スパイスの力で、体の保温効果も期待できます。
※ただし、その時の体の状態にもよります。
食欲がないときは、ゼリー系の栄養補助食品など、臨機応変に対応すべきだと考えられます。
いかがでしたか?
どれだけ普段、体調に気を遣っていたとしても、風邪を発症するリスクは誰にでもあります。
だからこそ、発症したことよりも、発症後にどんな行動を取るかに目を向けましょう。
風邪の前段階で正しい知識を持って、行動すれば症状がより素早く改善したり、軽くなったりします。
もし、「どうすれば良いのかわからない。」ということでお悩みであれば、当クリニックまでご相談ください。
当クリニックの医師・スタッフが患者さんの症状に合わせ、適切なアドバイス、処置を施してまいります。